リアリティー・ショーの魔力 第3回

08.08.2012, 11:01

 スタートにあたって…

どれもこれもが、ぶち壊しの結果をもたらすようなリアリティー・ショーばかりの半面、例外的に肯定的で分別ある成果をもたらすドキュメンタリーがある。喜ばしいことに、徐々にそのような企画が増えてきている。
 
 
例えば、アパートの改修がテーマのアメリカのリアリティー・ショーには、社会的な意味合いも含まれている。改修の様子が中継されるアパートの住人は子だくさんでゆとりのない家族であることだ。それでもやはり、どうやって同じような家族から一つを選んだのか、その基準はちょっと分かりにくい。おそらく、選ばれるにはそれなりの支払いがあったのだろう。
 
また、ある有名なダイエット・メソッドに基づく「30日間でやせるコース」という中継番組があったが、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、グルジアから果敢にも12人が名乗りを上げた。参加者はコースの課題に対する印象と成果報告を日記で共有しあった。減量の専門家も協力した。TV視聴者は過剰体重が引き起こす問題に関して新しいことをたくさん教えられたし、どうやって体重を減らすか、どんな困難があってどうすれば克服することができるかも学んだ。
 
 
別のリアリティー・ショーでは、6人の参加者2週間にわたってヨット操縦の初歩をマスターしようと挑戦した。出演者はヨットの専門家たちの同伴で理論と実践に関する授業に通い、一通り勉強と実地訓練を終えた参加者たちにはめでたく修了証書が授与された。
 
そうして、もうすぐ公開されるTVドキュメンタリー『ドクター・ライフ』も、上の例にもれないだろう。いや、それ以上だ。問われているのは、専門治療という分野での達成だけではなく、人間の生き死にそのものだから。国籍を異にする8人の麻薬依存症の患者たちが、ナザラリエフ博士が独自に開発した治療法に基づいて、依存症という泥沼にはまった自分自身と闘う姿を中継するものだ。彼らはもう破滅寸前だ。だからこそ、このプロジェクトに出演する決意を固めたのだ。新たな人生を目指す彼らの苦難の道のりを何百万もの人々が目の当たりにすることになる。全員がたどりつけるとは限らない。しかし、最後までやり遂げたものは、生き延びるという、何物にも代えがたいチャンスを手にするだろう。
 
 
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