リアリティー・ショーの魔力

06.08.2012, 10:56

 古今東西、他に類を見ないユニークな発想で取り組まれたTVプロジェクト「ドクター・ライフ」の初公開が迫っている!TVの「生の味」がなぜそれほどまでに人々の興味をかき立てるのか、番組制作者の目論見とは一体何なのか、このジャンルにおけるTV放映の歴史を振り返るきっかけとなった企画だ。

―『ビッグ・ブラザー』に見張られている!―
 
リアリティー・ショーの発祥の地と言われているのはオランダで、13年前世界で評判をとった有名番組『ビッグ・ブラザー』が初めて公開放送された。内容は、ある人々がブラザーなるものの監視下で生きるというものだった。ブラザーのことばは掟だ。言うことをきかなければある家に送りこまれる。その家にはカメラがそこら中に取り付けられていて、人間の一挙手一投足を監視している。外部との接触は完全に断たれている。毎日それぞれに課せられる任務は、みなの結束を固め団結力を鼓舞するためのものだ。
 
それ以来、同様の企画が全世界といってもいいほど次々と登場している。『ガラスに注意して』というのもその一つ。ロシアのテレビ界で初めてのリアリティー・ショーで2001年に放映された。番組の中で、出演者は毎日かならず達成しなければならない無茶な課題を与えられる。例えば、歯ブラシで床を磨きあげるとか、浴槽の水を空っぽになるまでティースプーンですくい切るといった課題だ。最後までやり遂げた二人は、それぞれ15000ドルを手にした。
 
『ビッグ・ブラザー』以後、放送チャンネルは様々なリアリティー・ショーで埋めつくされている。だいたいにおいて人間というものは、他人の生活をのぞき見したいという欲望があって、この種の番組はニーズに応えているというわけだ。例をあげれば、『アメリカの家庭』というリアリティー・ショーは、ごく普通のアメリカ人の家庭生活を国中に中継するだけの他愛ないもので、そこから得られるものは何もなかった。しかし、「生」の臨場感という抜群の効果は後に続く番組に引きつがれることになる。
つづく…
 

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