リアリティー・ショーの魔力 第2回
07.08.2012, 10:58
―お金、お金、お金!クレージーじゃなきゃ!―
リアリティー・ショー『飲まず食わず』の出演者たちは106日間、はじめはモスクワそれからニューヨークで、一文無し、食料もなし、英語も全然切分からないという状態で暮らさなければならなかった。住まいとしてあてがわれたのは、快適なベッドルームとシャワー室、ジャグジーもあるし、しゃれたホールそしてキッチンと、実際必要なものすべてそろった、しかも40以上の監視カメラと50以上の集音マイク付きの一軒家だった。ないのは食べ物だけだ。だから毎週、仲間のうち二人が食料品とお金を求めて街に出かけることになった。できることは何でもやり、帰るしかなくなってはじめて家にもどってくるのだ。まだ家の中のどこかに食べ物がないかと探し回っているあいだは、だれも家から外には出なかったのに…。助けの手はどこからも期待できない。頼りになるのは自分だけだ。しかし、動機づけがあれば、それに勝るものはない。勝ち抜いたものは、毎月1000ドルの終身給与がもらえるのだから。
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同じく、あるいはそれ以上に人気のあったのが『極めつけの勇者』、これも出演者が賞金を競うものだった。賭けに勝つため仕返しをしたり裏切ったり、自分のもっとも醜い一面を臆面もなく見せつけながら、互いにあの手この手で足を引っ張り合う。このショーの見せどころは、何と言っても、ゲームに勝ち残るのは身体的に強靭なものではなく最も卑劣な「勇者」だという点だ。
同じ類のコンセプトで作られた最近のロシアのテレビ・ショーに『メキシコのバカンス』がある。制作者は出演者が人生最良の休暇を楽しむのだと言う。真黒に日焼けして、熱に浮かれたナイトクラブ、後に引けない賭け事、ドンチャン騒ぎ。そして、権謀術数、取っ組み合い、いやがらせ、悔し涙と裏切り行為が続く。ここで抜け目なく立ちまわるために大事なことは、自分さえよければいい、と思えることなのだ。それに、カブトムシやゴキブリ、トウガラシさえ食べなければならないし、若い娘は髪を剃ってつるつる坊主にもなるし、男は丸裸もいとわない。だって、そうしなければ、100万ルーブルがふいになるのだから。

アメリカのリアリティー・ショー『僕は独身』では、資産家が自分にぴったりの人生の伴侶を選ぶという番組だが、我こそは妻におさまりたいと自分から手を挙げた女性たちの一人一人にあたって、大勢の中から相手を一人に絞っていく、という趣向だ。面白いのは、スイス銀行口座の大金と豪奢な生活に目がくらんだ女同士のバトルだ。
要するに、今どきのリアリティー・ショーは、そのほとんどが同工異曲、しょせんは大金が目当てであることには変わりがない。しかし、そんなリアリティー・ショーにも、実は、一切お金とは無縁のものがあるのだ。
つづく…



















